6時半起きで母の病院の付き添い。弟も来ることになり、3人で病院へ。
この病院に来たのはおそらく4年半ぶり。当時の記憶が頭をよぎった。
医者によると、今提案できる治療としては副作用の強い抗がん剤しかなく、身体へのダメージを考えるとそれはあまりすすめられないとのことだった。ただ、トライできそうな治験がないわけではないこと、放射線治療についても検討の余地があることなども説明があったので、次回診察までに治験と放射線治療について確認してもらうことになった。
何でだろう。母がこの先弱っていくのは確実なのにその実感がないだけなのか、まだまだ大丈夫だと思い込んでいるからなのか、母の立場に立って気持ちを慮ることができていないせいなのか、嫌になるくらい何も感じられない。平常心でしかない。
みんなでお昼を食べて、駅ビルを少し見て、別れ際も覚えていないくらい普通に別れてしまった。母との時間をもっと大切に過ごさないといけないはずなのに。
帰りの特急電車を降りる準備をしていたら、鼻にツンとくる異臭がした。何…。顔を上げるとリュックを背負ってスポーティーな服を着た男性が私の顔をまっすぐに見つめている。誰…。知り合いではないとすぐに確信して睨みつけた。男は目を逸らさず、真顔のまま「こんにちは!」と大きな声で言い、人を掻き分け車両から出ていった。
自宅に着いて、洗濯機を2回回して干して、コーヒーを飲んでパンを齧った。
夫は飲み会でなかなか帰って来ず、私は平常心なのに何だか落ち着かない気持ちでいる。
父は落ち込んでいるらしい。
義妹が母のことをよく気遣ってくれてありがたい。
飲んでいるホルモン剤のスケジュール的にはありえないタイミングで昨日生理になってしまったので念のため婦人科に電話をした。ホルモン剤はスケジュール通り飲むこと、もし出血が止まらないときは受信しろとのこと。